2021年10月17日日曜日

Miku speaks English!(トーキング調声)

初音ミクNTは「歌声合成ソフト」なので、日常会話は苦手です。

ですがノートの打ち方によって、自然に喋らせる調声も可能です。いわゆるトーキング調声というものです。

今回は、さらに英語を喋ってもらう調声を解説します。


ネイティブ発音を知ろう

英語のことわざで、

It's better to have loved and lost than never to have loved at all.

日本語だと

失恋でも恋しないよりマシ

という意味です。

英語だとどういう発音になるでしょう?世の中にはGoogle翻訳という便利なツールや、Windowsだとスピーチ機能があるので、実際に英語を発音してもらいましょう。

ネイティブ発音(Google翻訳)

…ネイティブかどうかはさておき、これをベースに初音ミクNTで再現したいと思います。


まずはベタ打ち

何も考えずに聞こえたとおり、もしくは英単語通りにベタ打ちしてみます。音符の長さもひとまず一定で構いません。

ベタ打ち

まさしくロボのように喋ってます。ここから調声していきます。


リズムを合わせる

どの言語でも同じだと言えますが、喋り声にはリズムがあります。英語はとくにそうです。なので、まず音符(ノート)の長さを調整してみましょう。

会話のリズムを整える

まだまだロボ声感は強いですが、喋っているようにはなってきました。何故ロボットが喋っているように聞こえるかというと、音程が一定だからですね。なので次は音程を整えてみます。


単語に応じて音階を当てる

ここからは耳コピ能力がある程度必要になります。といっても絶対音感までいかなくても、音程が多少なりとも外れて問題ありません。現に私は絶対音感どころか音痴です。

なので、なんとなく高く発音してるとかその程度でよいので合わせてみましょう。

単語に音程を当てる

徐々にヒトが喋っているようになってきました。さらに自然に喋っているようにするためには、もう少し細かい調声が必要になってきます。


単語を分解、発音記号「-」でピッチベンドを変化させる

例えば「LOVE」はカタカナで書くと「ラブ」ですが、英語の発音ではそうは聞こえません。「る ぁ ぶ」に聞こえます。それになぞって単語を分解(ノートを分割)してみましょう。

また、伸びる発音の多くは途中で音程に変化がつきます。例えば「HAVE」は「は↓あ↑ぶ↓」のようにです。なので「は↓ ー↑ ぶ↓」のように、発音記号「ー」を入れて、ピッチベンドの高低を調整してみましょう。

単語に応じて音程を調整

調声例

  • i'ts:いっつ → い Sli とぅ
  • better:べたー → ぶえとあー
  • loved:らぶど → るあーぶどぅ
  • never:ねばー → ぬえぶあ
  • loved at:らぶど あっと → るあーぶだあ Sli とぅ

など。

今回は、オートメーションはまったくいじってませんが、さらに自然な喋り声にするには、Note Gain(要するにアクセント)やConsonant Rateを調声すると、より違和感がなくなるでしょう。


トーキング調声例

では実際に、トーキングイングリッシュミクさんの喋り声を聞いてみましょう。

Miku speaks English

ボカロ楽曲に取り入れるのであれば、さらにメロディラインとの兼ね合いで、単語に音程を合わせるのが難しくなりますが、うまくハマればクールな曲になること間違いなしなので、ぜひチャレンジしてみてください!

2021年10月11日月曜日

演奏記号tie & slur(タイとスラー)を初音ミクNTで調声する

今回は演奏記号のtieとslurの調声例です。まずtie(タイ)とslur(スラー)の違いですが、

  • tie
    • 同じ音を連続してつなげる
  • slur
    • 違う音を連続してつなげる


画像はUnisessionより引用

箇条書きにしなくてもいいぐらいの違いでした。そういえば楽譜を見ればよく見かけますね。

初音ミクNTでtieとslurを表現する

調声方法は3つありますが、移行先の発音が同じ母音であれば、おすすめは発音記号の「-」です。NTのマニュアルから引用すると、

先行ノートの母音部分を伸ばす発音になります。

とあります。

従って、移行先の母音が同じなのか異なるのかで、使い分ける必要があります。

「ねえ」を例にしてみると、「ね」の母音は「え」なので、「-」のノートでは「え」が伸びるように、かつ滑らかにつながります。

tie & slur の調声例

この打ち方だと、C(ね)からB(え)に移行してるので、演奏指定はslurになります。その場合、

  1. ピッチベンド(ピッチカーブ)で移行先の音階までラインを下げる(上げる)
  2. 移行先の音階のノートを打ち、発音語「え」を打つ("ね"の母音)
  3. 移行先の音階のノートを打ち、発音記号「-」を打つ

いずれも同じようにslurの効果を得られますが、wav波形を拡大してみると、

wav波形

2の方法は、音のつなぎ目が少し途切れていることがわかります。実際に聴くと若干ですが滑らかではありません。

先述したように移行先の母音が同じであれば、いずれの打ち方でも可能ですが、例えば「うた」だと「う(母音)」と「あ(”た”の母音)」で異なるので、2の方法でしか打てません。この場合は、tirやslurというより、legatoと捉えるべきでしょう。

tieとslurは発音記号の「-」一択!!

移行先の母音が同じであることが条件ですが、ピッチベンドはオートメーションのラインを描くので使い勝手がよくないのと、ノートの見た目にも移行したことがわかりづらく、またピッチベンドは機械的に音を変化させるため、声質にも影響を及ぼします。

それに対して「-」は目的の移行先の音階を正しく発音し、さらには直前の音階からスムーズにつなげてくれるという、優れた性能を持った発音記号と言えるでしょう。

では実際に3つの方法で調声したものを聴き比べてみてください。

調声比較


まとめ

初音ミクには発音記号と言って、他にも特殊な発音が用意されているのですが、今回の「-」は特に難しく考える必要はなく、ノートをダブルクリックして「-」を打つだけなので、とても簡単です。

tieとslurは「-」!(但し母音が同じ)で憶えましょう!!

2021年10月5日火曜日

初音ミクのボカロPだし、痛PCサイドパネルをつくろう!(謎理論)

初音ミクのボカロPならDTMのPCも痛くしましょうという企画。

以前にTwitterでスレッドにした投稿を記事にしました。


痛PCサイドパネルとは

昨今のPCはパーツを光らせることが前提で、PCケースのサイドパネルも片面・両面が透明になっていて中身が見えるものがほとんどですよね。

だったら、ただ透明じゃなくて、光るパーツをもうひと工夫して見せられないか?と秒で思いついたのが痛PCサイドパネルという訳です。見てもらうのが光の速さでわかるので、こちらの画像をご覧ください。

クリア(透明)

クリア両面マット(スモーク)


どうですか。ミクさん女神じゃないですか。クリア両面マット(スモーク)がまるでステージ上の投影スクリーンぽくて気に入っています。

では制作過程を解説してきましょう。


事前に確認しておくこと

まず、PCのサイドパネルが簡単に取り外しができるタイプなのかを確認してく必要があります。既存のパネルをそのまま使うのか、アクリル板から切り出してパネルをつくるDASH村式にするのかを決めておきましょう。

この記事では、アクリル板を材料にパネルから自作しています。


用意するもの

  • アクリル板
    • 5mm厚がいいでしょう。ホームセンターや通販で買うことができます。私はアクリ屋で仕入れました。採寸すればカットや穴あけ加工もしてくれます。
  • アクリル板用カッター
    • 普通のカッターでもOKですが、300~400円ぐらいで買えます。
  • 電動ドリル
    • 穴あけに使います。ドライバー用でトルクが弱くても、手動ドリルでもどちらでもOKです。
  • ドリルビット
    • ボルト(というかネジというか)止めのケースなので、その穴の寸法に合わせたものを準備します。私のPCのパネルは10mm穴でした。
  • 痛いステッカー
    • ステッカーシール用紙にポスター印刷するか、あるいは業者に頼むこともできます。カット加工や継ぎ目を考えれば業者に頼むのがいいでしょう。私は初音ミクの公式許諾を持っているのらいも工房で発注しました。ここはSUPER GTでレースカーのラッピング加工をしているところなので、品質は折り紙付きです。
  • スキージー
    • ステッカーを貼るときの「ヘラ」です。これは必須で準備しておきましょう。
  • アプリケーションシート
    • ステッカーを貼るときの補助シートのようなものです。業者発注だとオプションでつけることができます。
アクリル板、電動ドリル、ドリルビット、アクリル板カッター


採寸する

原寸のサイドパネルからアタリを取ります。もしくはPCケース側から定規で測りましょう。

鉛筆でアタリを取る


アクリル板をカット加工する

アクリル板には保護紙が貼ってあるので、それはまだ剥がさずに上からアクリル板用カッターで切り込みを入れていきます。軽く引っ掻いていくのを数十回繰り返す感じです。

力を入れずに軽く引っ掻く

切り込みがアクリル板の厚さの2/3ぐらい入ったら、両端を持ってパキッ!と割ります。

割れ目が違う方向に流れたりヒビが入ることはないので、ビビらず思いっきり割りましょう。断面もそんなに粗くなりませんが、気になるならヤスリで磨くのもいいでしょう。

これぐらいの溝ができたら…

両手で持ってパキッと割ります

元のパネルのサイズにカットできました


穴あけ

最大の難関、穴あけです。まず熱したキリの先などで、アクリル板に小さな穴を開けておきます。

アクリル板は熱に弱いので溶かして小さな穴を通します

次にドリルで掘削していきます。今回使ったのは、ドライバー用のトルクが弱い電動ドリルですが、先に小さな穴を通しているので3~4分ほどで貫通します。普通の電動ドリルなら一瞬だと思います。

ドリルビットにもよりますが右回転より左回転が掘削しやすい

開通しました。ここで一旦、PCに取り付けできるかテストしておきます。

うまくはまらなかったり、穴の位置がずれてしまった場合は、少し大きめのドリルビットに交換して、穴の大きさを微調整してみましょう。


開通したアクリル板


痛ステッカーの貼り付け

いよいよ本番、事前に用意しておいた痛ステッカーを貼っていきます。

貼るときはアプリケーションシートを使うと便利です。例えるなら、スマートフォンの保護フィルムには補助シートが貼ってありますよね。あれと同じです。

スキージーというヘラで押さえながら少しずつめくっていきます。

スキージーで押さえながら少しずつ押し付けるようにめくっていく

この画像は、試作でポスター印刷した初音ミクV4Xのステッカー用紙を貼っている様子です。

気泡が入らないように貼るには、

  • ホコリやチリが入らないような場所で作業すること
  • エアダスターなどでチリを飛ばしておくこと
  • とにかくじっくりゆっくり貼っていくこと

ただ、どれだけ気をつけても、ステッカーのサイズが大きくなればなるほど、気泡は入りやすくなりますが、できるだけ1mmめくった瞬間に押し付けて貼るの繰り返しのような感じで貼るとよいでしょう。


ミクさんマジ女神の降臨

ステッカーを貼り終えたら、改めてPCに取り付けます。

では、PC内部が光る痛PCサイドパネルを動画に収めましたのでご査収ください。

ミクさんマジ天使!


まとめ

PCケースによってサイドパネルの仕様が違うので、一概に今回の制作事例のようにはいかないかもしれませんが、元の既存のパネルに貼るのもよいですし、アクリル板から自作するのも楽しいです。

内部が見えるだけの透明パネルでは物足りないと思ったアナタ!ぜひ痛いステッカーを貼って、痛PCを流行らせましょう!!