2021年12月25日土曜日

初音ミクNTの新成分Consonant Rateとは?

初音ミクNTになってから、Consonant Rateという新しいパラメーターができました。これは以前のパラメーターでいうVELOCITYに替わるもので、直訳すれば「子音の割合」です。より母音子音の調声をわかりやすくした名称といえるでしょう。

このConsonant Rateで何を調声するかと言えば、主に「滑舌」をよくするためのものです。

Piapro Studio NTは、「滑舌」に関するパラメーターは半自動で調整してくれるのと、特に3.0.4.0(最新版)では、ほぼ調声する余地がないほど滑舌良く歌ってくれるようになっていますが、単語や発音のつなぎによっては、手動で調声しなければなりませんので、このConsonant Rateの効果について、解説していきます。


効果

  • 「あ・い・う・え・お」以外の子音を持つノートの子音比率を加減する
  • 子音の割合が減ると、直前のノートの母音が増える
  • 子音の割合が増えると、直前のノートの母音が減る

このように書くと難しそうですが、簡単に書くと、「星ーぃっが」と、「が」の直前に促音が入るような(跳ねた)発音になっているときに、子音比率を減らすことで「星ーぃが」と滑らかになるということです。

効果を見るには極端な設定がわかりやすいので、こちらを聞いてみましょう。「はつねみくです」の子音を全てゼロにしてみました。


「初音ミクです」の子音を取り除いた例

どうでしょうか?子音がゼロということは母音のみが残るので、極端に言えば「あうえいうえう」という発音になります。

では子音の割合によって、直前の母音の割合にも影響を与えるとはどういうことでしょうか。これも画像を見たほうがわかりやすいです。


○で囲った部分が「つ」の子音

「つ」の子音がほぼ無くなり、直前の「は」の母音が伸びました

このようにConsonant Rateを弱めることで、不自然な促音をなくし、滑舌良く歌ってくれるようになります。

子音を強調したいときはこの逆です。子音の割合を高くすれば、スタッカートのように歯切れよく発音してくれるようになります。


調声前と調声後の比較


調声前

調声後

…例が例だけにあまり違いは出ませんでした。それだけ最新版の半自動調声が良い出来ということですね。


まとめ

Consonant Rateというわかりやすい名称になったこと、またwav波形でリアルタイムに調声具合がわかること、さらに半自動調声のクオリティが高いこと。

このような点から、初音ミクNTでは「滑舌の調声」に充てる労力がほとんど無くなりました。

調声する場合は、Consonant Rateを高くするよりも低くして、前述のような促音もどきを無くして滑らかにする、というケースだと思います。その場合、私はだいたい90%~70%ぐらいを指定しています。


2021年12月21日火曜日

構成音からコード名を逆引きで調べる方法

私はこの記事で紹介したChordman!!というWindows用アプリを愛用しています。

これは、コード名を選んだらその構成音を表示するので、コード進行からメロディーラインを書くときにとても役立っています。

さらに使い方によってはコード名の逆引きもできるので、今回はその方法を解説していきます。※ルート音は予め決めてあることが前提です。


Chordman!!を使ったコード名の逆引き方法


Chordman!!を起動したところです。通常の使い方は、下部に並んでいるコード名のボタンを押すと上部の鍵盤がハイライトされるのですが、逆引きするには、

このように、上部の鍵盤を全て左クリックしていき、灰色(除外)にします。全てとは言ってもド~シの12音(個)だけで、別のオクターブの同音は自動的に除外されます。すると、下部にある全てのコード名のボタンも灰色になりました。

この状態から、構成音を鍵盤から指定していきます。先程と同じ左クリックで、今度は除外を解除するということです。

わかりやすい例として「ド・ミ・ソ」を選んでみました。すると、「ド・ミ・ソ」を含むコード名でフィルターがかかります。

あとはコード名のボタンを鳴らしてみて、コード進行に必要なコードなのかを視聴してみるといいでしょう。


コード名を逆引きしたいときって?

この記事でも書いたように、楽曲をつくる工程は様々です。

今回のコード名逆引きは、メロディーを先に書いてからコード進行を決める、ときに役に立つ方法です。ぜひ試してみて下さい。

2021年11月28日日曜日

初音ミクNTでファルセット(裏声)の調声方法

ファルセットとは

日本語の裏声(うらごえ)とは、地声から裏返った(換声点を越えた)声のこと。発声法の一種であるファルセットと同じ意味で用いられることが多い。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

ということで、今回は初音ミクNTでファルセット(以後、裏声)の調声方法を解説します。


…の前に、初音ミクは裏声が得意ではありません、というのを前提にご参照ください。


特徴

  • ピッチが極端(1オクターブ程度)に上がる
  • 母音が裏声(鼻が抜けたような発声)になる
  • 母音にビブラートがかかる
  • 母音の直前に「ハ」行の子音が入る


これを踏まえて、矢井田瞳「my sweet darlin'」のサビ入り部分♪ダーリンダーリーンを文字で表現すると…


♪ダーリン ダーリィ~~~ン


となるでしょうか。ということで、裏声のポイントは、途中に入る「ハ」行をいかに自然に裏返させるか、になります。


調声例

では、調声前後を聴き比べてみましょう。

裏声の調声例

ほぼ全てのオートメーションのパラメーターをいじるのと、ノートの発音に加工が要るので、その労力を考えると裏声を使わない作曲を心がけた方がよいでは?という気もしなくもないですが、ここぞというときに使えると、メリハリが出ることは間違いないので、調整方法を一つ一つ見ていきましょう。


1)発音記号の加工

♪ダーリンの「リ」を裏声にさせたいので、「リ」と「ヒ」に分割します。ここでのポイントは、単純に母音子音で分けないことです。

「リ」の母音は「イ」ですが、裏声を出してみると(聴いてみると)、「リ」から「ヒ」に移って母音の「イ」が出ています。他の例で言えば「ラ」の裏声は「ラ ハ ァ ~」と「ハ」が入ります。



ただ、そのまま「ヒ(C i)」を入れると、リからヒに移る際に、発音が強すぎて不自然に聴こえるので、ヒを弱めるために、鼻音子音を入れて発音を加工します。ここでは「N」を入れています。

裏声が終わったら、裏声後の発声の不安定さを表現するために、「ン」を1~2度上げたり下げたりします。これは好みなので、そのまま原音に戻るのでもかまいません。

2)オートメーションのパラメーター

まずビブラートをかけておきます。画像では少し分かりづらいですが、裏声の母音部分「-」は60%、残りの「ン」は100%でかけています。

2-1)Dynamics

裏声は「鼻に抜けたビブラート」とも言えるので、入る前に声量を落として、急激に声量を上げます。裏声が終わったら元の声量に戻る直前にも少しだけ上げておきます。

2-2)Brethiness

鼻に抜けた発声にするには、Brethinessを入れます。裏声に入る直前と、裏声が続く間は徐々に上げて、終わったら急激に元に戻します。

2-3)Super Formant Shifter

裏声は1オクターブほど音階が上がるため、言うなれば声が薄くなるので、それを再現するために裏声直後はCute側に上げ、徐々に下げていきます。

2-4)Voice Voltage

前述した声を薄くするのに合わせて、声のハリを調声するVoice Voltageもそれに合わせます。裏声が終わるにつれて最後は少し上げる形にします。

声を薄くすると声量も弱くなりますが、それを補完するためにDynamicsで声量を維持しているというわけです。


これで完成です。


まとめ

裏声を使うような楽曲はロック調でしかないのと、歌声ライブラリがオリジナルかダークでもオートメーションの描き方が変わってくるので、分類としては難しい調声と言えます。


裏声のポイントは、

「ハ」行が途中に入る

というのを憶えておくと調声しやすいでしょう。