2021年9月18日土曜日

リズムベースづくりが捗るプラグインCaptain Plugins 5

楽曲を書き上げるには、0からと0.5からでは大きく違います。

何かしらの「素」があれば、そこから足したり引いたり変化もできますが、全くのゼロからでは生み出すのは難しい。モノづくりは何でもそうです。

そこで今回は、素となるリズムとベースを半自動で作ることができるツールを紹介します。


Captain Plugins 5
Mixed In Keyのページに飛びます


Captain Pluginとは?

コード進行を素に、各ロールを生成するVSTプラグインです。

  • リズムパターン:Captain Chords
  • ベース: Captain Deep
  • ドラムパターン:Captain Beat
  • メロディ:Captain Melody

主に使うのはChordsDeepですが、楽曲によってはBeatも組み合わせればドラムの打ち込みが楽になるでしょう。

Melodyは、コード音を元にランダムで生成するもので、メロディラインのヒントにはなるかもしれませんが、そのまま主旋律として使うとなると…という程度です。


Captain Chordsの使い方

Captain PluginsはChordsが基本となります。まずChordsをトラックに挿すとスケールを選ぶ画面になるので、ここでは例としてC Majorを選びます。するとこのようなUIが出ます。

Captain Chords

最初に選択したスケールが左上に表示されています。そのスケールを元にC~Bまでのコードを表したボタンが並んでます。

このボタンを押してコードを追加していき、コード進行を考えていけるのです。

Captain Chordsの強みは、コード音がわからなくても構成音がプリセットで入っているので、「鳴ったコードを聴きながら進行を並べていける」点で、感覚的にコード進行をつくれることです。


さて、定石というか定番というか、つくってみたコード進行がこちらです。

C G Am Em Am Em G C

さらに、Captain Chordsの強みがここからです。非常に多くのリズムパターンを備えており、コード進行を決める時点で曲調をある程度まで仕上げることができるのです。


Go Oneを選んだ状態

Captain Chords自身、音源を内蔵していますが、鳴らす音源を指定することもできますし、このパターンのMIDIデータをD&DでDAWに持っていくこともできます。


Captain Deepの使い方

Deepは、Chordsと連携して作動するベースライン生成ツールです。なので、Chordsでコード進行を作っておかないと意味がありません。

Captain Deep

この画面のように、Chordsのコード進行通りにルート(ベース)音が自動で並べられます。

もちろんベースのパターンもChordsと同じリストから選ぶことができるので、同じパターンにして馴染ませることもできるし、オフビート(いわゆる裏拍)にして強調させる、という指定もできます。


Captain Beatの使い方

BeatはDeepと違ってChordsと連携はしません。またパターンも同じリストではありません。ので、どちらかというと単独のドラム音源と考えればよいでしょう。

Captain Beat

このBeatにも、ChordsやDeepと同じく音源を内蔵しており、MIDIデータのD&D機能もあります。

ただ、おおよそBeat音源と他のドラム音源とでは、割当キーが一致しないことが多いため、ドラムトラックをBeatに使うのであれば、Beat内蔵の音源で鳴らすことをお勧めします。


Captain Melodyの使い方

先述したようにこのMelodyで生成されたものを、そのままメロディラインとして使えるか?と聞かれると「使えない」と答えるしかありません。主旋律やギターリフなどのヒントにはなるかもしれない、という程度なので、私は使っていません。

Captain Melody

Melodyは、Chordsと連携していますが依存度は低く、コード進行に必ず沿うようにする、もしくは全く無視する、というように自由に指定ができます。

メロディの生成方法には、ノートの数、長さ、休符…といったパラメーターを設定することもできますし、完全にランダマイズさせることもできるので、思いがけず良いメロディ(の元)ができる可能性はあるかもしれません。


パートごとにコード進行やパターンを保存する

スケールのボタン上に MIDI IN / PLAY / VERSE / PRE CHORUS / CHORUS / DROP のタブが並んでいます。

PRE CHORUS(Bメロ)パート

いわゆるAメロはVERSE、BメロはPRE CHORUS、サビはCHORUSと、パートごとにコード進行やパターンを分けてアレンジをつくることができます。


ただ、Captain Pluginsの仕様として残念なのは、タブで仕分けたとしても、DAWと再生をシンクロしてくれないことです。

例えばDAWではAメロパートを再生していても、Captain Plugins側でPRE CHORUS(Bメロ)のタブを選んでいると、そのタブが鳴ってしまうということです。なんのためにSyncボタンがあるのか…

この仕様についてはフィードバックを送りました。「タブ機能は素晴らしいが、DAWの再生位置を一致(シンクロ)してほしい」と。

DAW再生とのシンクロで性能が良い例といえば、ToontrackのEZシリーズですね。(とはいえ変拍子に対応してないので完全に満足してませんが)


このDAWとの再生シンクロの仕様が改善されれば、もっと使い勝手がよいリズムパターンのベース構築ツールになると思います。


まとめ

今回紹介したCaptain Pluginsの特徴として、

  • コード構成音がわからなくてもコード進行を(なんとなく)つくれる
  • リズムパターンが豊富にあるので曲調をまとめやすい

この2点が大きいです。

このプラグインだけでオケを作ろうと思えば作れますが、どちらかというと曲調ベース作成ツールと言えるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿