曲作りの工程は色々あります。
こちらの記事で書いているように、おおまかに分けると「詞が先か曲が先か」になるわけですが、私の場合はほぼ「曲先行」です。
おそらく理由は音痴だからです。
何も音が振られてない詞に音を乗せるより、音に言葉を乗せて作詞していく方がどちらかというと難易度が低いからでしょう。(得意とは言ってない)
作詞にかかる際は、ある程度の決まった工程を持っているのとそうでないのとでは、効率に差が出ますので、ひとつの参考になればと思います。
今回は2nd EP「1+1+1+1+1 feat. Hatsune Miku」に収録した「One of the Message」から解説してみます。
One of the Messageの曲構成
この曲は、
- Aメロ
- Aメロ
- サビ
- Aメロ
- サビ
という単純な構成です。テーマは「1970年代の歌謡曲」なので、その時代のアレンジを踏襲してるからです。
現代のトレンドは先述のこちらの記事に載せてますので、参考にしてみてください。
歌詞の内容
5W1Hではありませんが、1番Aメロでは「いつ、どこで、何を」をざっくりでいいのでフラグを設置し、同じ1番サビで回収します。
2番Aメロから逆説的に韻を踏み、2番サビでも同様にそれを回収します。
…というのが私が持っているひとつの定型です。
具体的に解説すると、
雪がまだ木陰に残る頃
最終列車の知らせが二人を引き剥がしてくのね
とある男女が冬頃に別れる情景を書いています。
自由席の窓越しに聞こえなくてもあなたの
精一杯の笑顔忘れないわ
遠距離になってしまうけど、心は変わらないよ的な心情を書いています。 ここまでフラグです。
あなたに会いたい夢でも抱きしめて
離れていても感じていて
あなたと二人ならどこへでもゆけるわ
手をつないで寄り添うだけでいいの
サビでは女性側視点での想いを綴っています。
ここから2番です。
桜が舞い木の葉が紅葉色をつける頃
最後のメッセージを何度も読んでは時が止まったようで
春夏秋とおよそ1年が過ぎようとしてる中で、「メッセージ」の内容は具体的に書いていませんが「時が止まった=嘘だと言ってほしい」、つまり恋愛上の別れを抽象的に表わしています。
あなたに会えるなら夢でもかまわない
離れていても感じているわ
あなたが他の人と知らない場所にいても
手をつないだ日を忘れないでいてね
2番サビも女性側視点で書いてるのは、言葉的に韻を踏ませたいからです。メッセージの内容からして「あの頃に戻れない」と悟りながらも、それでも想いは変わらない…と〆てます。
1番Aメロはセットアップ専用スペースに!
サビから入るアレンジもあるので一概に言えませんが、序盤は「いつ、どこで、何を」というセットアップをするセクションだと思えばよいでしょう。また、作詞する側としても、その方が進めやすいという利点もあります。
登場人物(モノ)が「どういう心理でいるのか」「どんな立場にいるのか」…リスナーは予備知識ゼロからその曲を聴くわけですから、そのためにも導入の設置は必須と言えるでしょう。
ヱヴァQのシンジを思い出してください。いきなり訳のわからない所に放り込まれて状況がさっぱりわからないでいると「???」となりますよね。それと同じです。
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