歌声合成ソフトの初音ミクNTは、ベタ打ちでも自然に歌ってくれるので、特に母音子音(以前でいうベロシティ)の調声に注ぐ労力が今までより格段に減りました。
とは言えども、発音のつなぎによっては、たまにこんな波形を見ることがあります。
「ゆ」と「め」の間で、「め」の発声時に波形が極端に大きくなっているのがわかるでしょうか?これが破裂音です。
実際に鳴らすと波形通りにこの部分だけ破裂したように大きくなってしまうのと、ノート全体が破裂しているわけではないので、ノートゲインで声量を下げることもできません。
さて、こんなときは…「特殊記号」を使いましょう!
特殊記号とは
Piapro Studioのマニュアルに発音表が載っています。
この表の赤枠で囲った特殊記号を使います。
特殊記号の使い方
「め」の破裂音を調声したいので、まずは「め」のノートをダブルクリックしてみましょう。
発音記号「m e」を通して、日本語でいう「め」を発音している、ということです。通常、この発音記号は自動的に入力されます。
しかし、この「m e」だと破裂音が発生しているので、そこだけを抑えるには、このように特殊記号を入れてみましょう。
これで「め」の発音には、「n m e」という発音記号を通して発声するようになりました。つまり、「め」と発音する前に鼻音子音の「n」を発音しなさい、ということです。
感覚的にいうと「ゆ んめ ー」になるでしょうか。
ただし、どの特殊記号が適切なのかは、元の発音や前後のつなぎによって異なるので、色々と試してみましょう。
特殊記号の効果
では、先程の波形はどう変化したでしょうか?見てみましょう。
「め」発声時の破裂がなくなり、なめらかになっているのがわかります。では実際に聴き比べてみましょう。
いかがでしょうか。「そう言われれば変わったかな?」というぐらい小さな効果ですし、トラックダウンしてみると、オケに埋もれて破裂音も気にならないのがほとんどですが、こういった細かい部分を丁寧に調声することで、「なんだかさっきから耳障りな音が聞こえるな」というリスニング時のストレスが無くなります。
オマケ)よく使う発音記号や特殊記号
- を:o から w o にすると、「を」が「うぉ」とより「を」らしくなります。
- ん:n から N にすると、より明確に「ん」と発音するようになります。ハミングにも使えますね。
- ー:別記事で解説したように、その母音をなめらかに伸ばすので、しゃくり上げ時に使います。
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