2021年8月30日月曜日

オーディオデバイス増設のすゝめ

DTMを始めるには、DTM(とボカロ楽曲づくり)の始め方でご紹介したように、バンドル(付属)されているDAW(Studio One 5 Artist)も手に入るので、初音ミクNTがおすすめです。

さらに、オーディオデバイスを増設することをおすすめします。ですが、必須ではありません。ほとんどのWindows/Macマシンにはサウンド機能が標準で備わっていますので、オーディオデバイスを増設しなくても楽器音は鳴りますし、歌声も合成できます。


オーディオデバイスとは?

ざっくり言えば、音源の元です。最近ではハイレゾ音源を耳にするようになりましたが、このような高音質な楽曲を自分のパソコン環境でマスタリングできます。ただ、最近のパソコンではハイレゾ対応の音源が標準で載ってるぐらいなので、先に述べたように無くてはならない、というものではありません。

現に私のパソコンのマザーボードはmsiのZ490 TOMAHAWKで、Realtek ALC1200がオンボードサウンドとして載っています。これはサンプリングレートが192kHz(※仕様未公開のため前後の型番から想定)なので、flac形式でHDハイレゾ音源をマスタリングできるレベルです。


それでもオーディオデバイス増設は必要?

では、サウンド環境が整っているのに、さらにオーディオデバイスを増設する必要があるのでしょうか?と聞かれれば、あった方がよいと言えます。ただし繰り返しになりますが、増設しないとDTMを始められないという訳ではありません。

それでもあった方がよい、という理由は、

DAWがオーディオデバイスを占有してしまう

ことにあります。


つまり、DAWで音を鳴らしている間は、他のアプリで音を鳴らせなくなるということです。これが大した問題でなければ不要と言えます。またDAWによっては、バックグラウンド時にオーディオデバイスを解放する、というオプションもありますが、言い換えれば同時に使えないことを意味します。

グラフィックカードに例えてみましょう。ほとんどのCPUにはオンボードでグラフィック機能が内蔵されています。しかし、多くのパソコンではゲームやビデオの描画のためにグラフィックカードを別で装備しています。これはCPUに負担をかけずに、より描画性能が高いグラフィックカードに任せるようにするためです。

サウンドの場合はどうでしょう?CPUとサウンドは分かれています。つまりCPUにサウンド機能が内蔵されているのではなく、あくまでマザーボード側にサウンド機能が載っているので、CPUの負担が高くなる訳ではありません。

しかし、DAWが占有する限り、DAW以外で音を扱えなくなってしまうのです。(具体的にはDAWを開きながらTwitterで動画が流れてきても再生できない)

なので、考え方は同じです。DTM専用にサウンド処理を任せられるデバイスを用意すればよいのです。

低性能なサウンド機能を搭載しているマザーボードであれば尚更です。ちなみに24bit 48kHz以上でハイレゾ対応は可能ですが、48bit 192kHzは欲しいスペックです。


オーディオデバイスの種類

一口にオーディオデバイスと言っても形状は様々あります。

  • PCIExpress用内蔵サウンドカード
  • USB外付けオーディオデバイス(のみ)
  • USB外付けオーディオデバイス(ミキサー機能あり)

などなど。


この記事では詳しい商品説明を避けますが、私が使っているものはCreative Sound Blaster X AE-5という、サウンドカードなのに無駄に光るオーディオデバイスです。これは32bit 384kHzで割とハイエンドな性能です。

手軽にオーディオデバイスを増設したいのであれば、USBドングル型のCreative Sound Blaster Play! 3というのもありますし、ツマミや各種入出力を備えたミキサー型のYAMAHA AG03というのもあります。


まとめ

DTMを始めるのにオーディオデバイスは必要ではありませんが、あった方が何かといいよ!と思います。グラフィックはグラフィックカードに、サウンド(DTM)はサウンドカードに処理を分散させましょう。

なお、初音ミクNTで歌声をレンダリングするとき、オンボードのオーディオデバイスよりも増設したサウンドカードの方が処理が速かったのを最後に記しておきます。

2021年8月27日金曜日

ミクNTの謎成分「Voice Voltage」とは?

Piapro Studio NTで新しく実装したオートメーション「Voice Voltage」について解説します。


旧Piapro Studio(2.0)及びVocaloid EditorとPiapro Studio NT(3.0)を比べると、オートメーションパラメーターが削除・追加、また同じ名称でも性能が変更されたりと変化している部分があります。


謎のオートメーション Voice Voltage

NTで追加されたオートメーションにVoice Voltageがあります。マニュアルによると、

  • Voice Voltage:声のハリや、強さ / 弱さの成分をコントロールするエフェクタです。

とあります。


この説明を読む限りでは、旧Piapro Studioにあった、

  • Dynamics:ダイナミクス(音の大きさ、柔らかさ、クレッシェンド、ディミヌエンド)を調整します。
  • Brightness:声の高い周波数成分を調整します。値を上げると明るくきらびやかな音になり、低くすると落ち着いた穏やかな音になります。
  • Clearness:値を上げるとシャープで澄んだ音になり、下げるとこもった重たい音になります。

この3種類を合成したような効果になるのではないかと考えられます。


ちなみにNTで性能が変わったオートメーションはDynamicsで、

  • Dynamics:声の抑揚を調整します。

としか書かれていません。


通常、歌声であれば声を大きく上げていくと、声量とともに声質も変わっていきます。

ならば、このVoice Voltageでピアニッシモ・フォルティッシモ、クレッシェンド・デクレッシェンドといった音の強弱を指示できるのでは?ということで、いつもの課題曲「ドレミの歌」で実験してみました。


Voice Voltageを使った強弱の表現例

調声前

調声後

「↑ドー ↓は ドーナツの↑ドー」という感じで、さらに小節ごとに次第に強くしていきましたが、単語ごと・文節ごといずれも強弱指定に十分使えそうです。

以前記事にしたBreathinessDynamicsは抑揚(感情表現)の調声に使い、今回のVoice Voltageを音の強弱の指定に特化して使えば、より調声の幅が広がりそうです。

2021年8月25日水曜日

DTM初心者がどう(チートして)曲をつくっているのかを公開!

今回は、DTMを初めて4年の初心者が、普段どうやって曲を書いているのか?を公開します。こんな簡単でいいの?と思われるかもしれませんが、それでいいのです!!


曲作りの過程は曲によって人によって様々ある

まず、作曲のセオリーはありません、と断言しておきます。もちろん基礎的な音楽理論やら理屈はあります。が、音楽は楽しむものです。聴くのも作るのも、楽しんでいきましょう。

それを踏まえて、「だいたいこういう流れ」で曲を書く人もいれば、曲によって違う人もいます。大まかに工程を分別すると…

  • メロディから書いて歌詞をはめる
  • 歌詞から書いてメロディをはめる
  • オケからつくってメロディを書く
  • メロディから書いてオケをつくる

思いつく限りではこんなところでしょうか。私の場合は「オケからつくってメロディを書いて歌詞をはめる」が多いです。

では実際にどう曲を仕上げていくかを、順を追って書いていきます。


アレンジ(編曲)をあらかじめ決めておく

アレンジというと、曲調や音源の種類を連想しがちですが、編曲の名の通り曲の構成を指します。ポップソングにはテンプレートともいえるアレンジがあって、

  1. (サビ2)(Chorus)
  2. 前奏(Intro)
  3. Aメロ1(Verse)
  4. Aメロ2(Verse)
  5. Bメロ(Pre-Chorus)
  6. サビ1(Chorus)
  7. サビ2(Chorus)
  8. 間奏(Brige)
  9. Aメロ2(Verse)
  10. Bメロ(Pre-Chorus)
  11. サビ1(Chorus)
  12. (Cメロ)
  13. 間奏(Brige)
  14. サビ1(Chorus)
  15. サビ2(Chorus)
  16. サビ1(転調)(Chorus)
  17. サビ2(転調)(Chorus)
  18. 後奏(Outro)

だいたいこんなアレンジになってます。()は入れたり入れなかったりします。またBPMと拍子は、おそらくもっとも多い(聴きやすい)のが120前後のBPMと4/4拍子だと思います。


各パートはだいたい8小節で構成されている

Aメロを例にすると、3小節+1小節(Fill)+3小節+1小節(Fill)で構成されることが多いです。Fillというのはオカズともいいます。

全パートを網羅するのは大変なので、今回はAメロパートを課題に作曲してきましょう。


ベース音となる音を決めていく

まずは、コード進行の主軸となるルート音を決めていきます。と言っても難しく考える必要はなく、なんなら鼻歌程度で音の高低だけ思い浮かべるだけでよいです。便宜上、音階で表現しますが、

「ドー ソー ファー レー ラー ミー ソー ドー」


こんな感じでAメロの流れとなるルート音を決めました。ここからコード進行を決めていきます。最初のドはC Majorにします。

と言ってもコードってどんな音が含まれてるかわからない!という人でも、Chordman!!というアプリや、こちらのDTM環境という記事で紹介した音源には、コード音とスケールがプリセットされたものもありますので、そこから思い浮かべた鼻歌の音程に近いコードを探します。

Ample Soundのギター音源にはスケールのプリセットが登録されている

コードに直すと、

「C Major G Major F Major Dm7 Am Em G Major C Major」

がもっとも近い感じでした。むしろ雰囲気で十分です。これをAメロのコード進行にします。


仮オケのトラックをつくる

仮オケとは、必要最小限の音源だけでつくった、まさに仮のオケです。

私の場合は、Ample Sound Ample Guitar Mのストラミング(いわゆるコード弾き)かTOONTRACK EZKeys(種類が豊富な演奏パターンでピアノのオケが簡単につくれる)を使うことが多いです。

アコギの仮オケ


コード音からメロディラインをつくる

C Majorのコード構成音は「ド ミ ソ」の3音なので、この3音を使ってメロディを書きます。ここでのコツは、いきなり音を分解してメロディを書かずに、まずリズム重視で「ドー ドド ドードー ドドドドッ ドッド」のように、単音だけで書いていくことです。

次のコードはG Majorなので、同じように「ソー ソー ソソソ ソーソ」のように、メロディのリズムをだいたい決めていきます。こうすることで、そのパートの曲調や雰囲気を掴むことができるのです。

リズム重視でメロディの元を書いていく

大まかにリズムが決まったら、実際にコード音を分解して、音程の長さ(ノート)を調整しながらメロディを書いていきます。

コード音からメロディラインを作っていく

ここで重要なのは、基本はコード構成音からピックしてメロディを書きますが、そうでなければならないという決まりもない、ということです。

例えばC Majorなら「ドミソ」、G Majorなら「ソシレ」がコード構成音ですが、かと言ってこれ以外の音を使ったらダメ!というわけではありません。好きなようにメロディを並べてみましょう。


メロディラインから歌詞を当てていく

現時点では仮オケのままですが、私の場合はここでもう作詞に入ります。歌詞によってオケを合わせた方が、曲調が馴染むからです。

歌詞の単語によって音の長さを調節しながら書いていく

具体的には、歌詞と歌詞の間が空いてるところにはブレイクを入れたり、メロディとオケを合わせることがやりやすくなります。


メロディと歌詞に合わせて本オケをつくっていく

この記事では、あくまで作曲の流れを公開しているので、本オケに関しては割愛します。アコギとドラムだけを適当に合わせただけですが、それではお聴きください。

初音ミク「夏の真夜中」

思いつきで書いてた歌詞がここで役に立つとは…


まとめ

動画を多めにして公開しましたが、DTMで曲をつくるのは、実はとても簡単なのです!!必要なのは堅っ苦しい音楽理論や理屈ではなく、やってみようという気持ちです。

知識を身につけるのは後からでも遅くないですし、なんなら知らなくてもいいぐらいに思ってます。現に私は知りません。

冒頭にお伝えしたように、音楽は楽しむものです。楽しみ方は人それぞれです。

私は、自分が書いた曲と歌詞をミクさんが歌ってくれて、それを聴いてもらうのを楽しみにしています。そして、より音質や完成度などを高めたいとなったときに、理屈や理論を学べばいんじゃね?ぐらいに思います。