Breathinessをアタックの抑揚に使う調声という記事で、発音アタック時の抑揚に使えることを書きました。
今回は、それをより効果的にするための調声方法を解説していきます。
Dynamicsを使う
調声には使用頻度が高いオートメーションなので詳しい説明は不要ですが、ざっくり言うと声量の高低に合わせて声質を若干変化させるパラメーターです。
例えば、サビ部分で盛り上げるためにDynamicsを徐々に上げる(クレッシェンド)、またはその逆(デ・クレッシェンド)という使われ方が多いかと思います。
それを、より細かくピンポイントで使うことで、より自然な発声や表現に近づけることができます。
では、実際の調声例を見てみましょう。
Dynamicsのピンポイント調声例
この例では、同じDynamicsでも3種類の調声がされています。
- 発声前0から発音させる
- Breathinessで声量が戻った後にDynamicsを上げて強調する
- 発声終わり際に0で発音を切る
図の1・2・3に対応していますので、順を追って説明します。
1. 発声前0から発音させる
これは発音によって入れる入れないを変えていますが、普通は人が声を出すときには、最初っから100%の声量で発音はできません。1/64分単位で0から目的の声量まで上げるようにすると、自然な声出しになります。
ただ、最初に述べたように、発音によっては言葉の出始めがこもってしまうこともあるので、発音によって調声を入れましょう。
2. Breathinessで声量が戻った後にDynamicsを上げて強調する
図では、DynamicsとBreathinessのオートメーションを、レイヤー表示で重ねています。先の記事にもあるように、三角形のラインがBreathinessによる調声です。
黄色の矢印(3箇所)に注目してください。ちょうど三角形が過ぎた後に、Dynamicsが上がっていることがわかります。
繰り返しになりますが、Breathinessでの調声とは声量を絞ってから元に戻る、なので、その戻りの際にDynamicsでさらに強調させることで、より効果が高まるわけです。
3. 発声終わり際に0で発音を切る
これも1.と同じです。また、これをやらなくても、ノートが途切れば声量は0になります。
つまり自動的な声量の減少ではなく、意図的にここで発音を切りたい、または徐々に弱く(デ・クレッシェンド)し始める位置を決めたい、という調声のための使い方です。
まとめ
以上、Dynamicsをピンポイントで使う調声方法を解説しました。
ただ単に声量調整に使うのではなく、今回のように他のオートメーションと組み合わせたり、発音をコントロールするパラメーターと捉えると、また違った使い道も発見できるかもしれません。
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