初音ミクNTのオートメーションパラメーターにBreathinessがあります。公式マニュアルによると、
声の「息っぽさ」を調整します。値を最大まで上げるとハスキーな声になります。
とあります。
Breathinessは使いにくい?
このオートメーション、実はVocaloid Editorにも旧piapro studioにもあるパラメーターですが、いじったことがない方がほとんどなのではないでしょうか?
理由として一つ、「効果が極端すぎる」という点があるかと思います。
いじってみると、たしかに「息っぽさ」を調整できますが、ザラザラしたノイズが乗ったような声質になってしまうので、せっかくのかわいい歌声が台無しになるじゃないか!と、私は今まで使ってきませんでした。
ですが、ずっと残っているパラメーターなので、何か良い使い道があるはず…と考えたところ、アタック(発音の出だし)の抑揚に使えることを発見しました。
調声例
この画像のように、三角形のようなピークカーブを描きます。ピークツール・ラインツールどちらでも良いです。頂点は10%~15%ぐらいで、私は10%をよく指定しています。
中段にあるwav波形の変化に注目してください。少し狭まっているのがわかります。このような波形にすることで、発声の出だし後に少し声量が弱くなり徐々に声量が戻っていく、という発音になります。
例えば、三角形の頂点の位置をずらすことで、リリース前(発音の終わり際)に同じような効果を得ることができます。全拍を出し切ったときに、少し弱くなって声量が戻る(力が込もる)ような発音になります。
Breathinessを使うメリット
抑揚をつける、という調声方法でいえば、他に
- Dynamics
- Pitch Control
が挙げられますが、Dynamicsは声量だけに影響し、Pitch Controlは声質にも影響してしまいます。それに対してBreathinessは、声量を絞るときに同時に吐かれるブレス(息遣い)を表現できるため、より人に近い、自然な抑揚がつけられるようになるのです。
発音中はBreathiness、文節単位はDynamicsで抑揚を調声しよう
発音中に抑揚をつける調声をしても、トラックダウンしてみるとオケに被ってあまり効果は感じにくいかもしれませんが、かと言ってやるとやらないでは大きな違いを感じます。
また、Dynamicsはどちらかというと文節単位で、演奏記号で言えばクレッシェンド・デクレッシェンドのように大まかにオートメーションカーブを描く、と使い分けるようにすると調声に幅が出てきます。
Breathinessを使ったアタック時の抑揚の調声をぜひ試してみてください。
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